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ガソリンのオクタン値問題 [自動車]

米 レギュラー87 ハイオク91 95
(日本基準ではもう少し値が高くなるらしいが、レギュラーが低スペックなのは変らない)
欧 レギュラー95 ハイオク98
日 レギュラー90 ハイオク97~103くらい

欧州のオクタン値が異常に高い。けど、実はエンジン技術がないから、排ガス規制に対応する際に、昔の有鉛の代わりにオクタン値を上げて、そうするとエンジンの圧縮比が上がる。そうすると出力が上がるから、自動車メーカーと石油業界が共同して何とかしたらしい。
1980年代半ばまでの設計の欧州大衆車はエンジンの設計も古く、有鉛ハイオクで何とか出力を確保している有様だった。新型フィットはレギュラー仕様で1.3L 100馬力だが、欧州メーカーには無理だ。
確かに欧州車の安グレードを見ると、オクタン値91などの仕様の古いエンジンも残っている。が、出力は乏しく日本の軽自動車のNAがどれだけ高性能かと思えるレベルらしい。それをMTで回して何とか走るのだろうが、実燃費は悪そうである。最近までラインナップにのこっていた、トヨタの商用車の古いエンジンを思うべきだろうか?

いくら日本のガソリンのオクタン値が高くなっても、アメリカが低いままだと、日米仕様の共通設計で無駄に終わる可能性が大だと思う。5ナンバーミニバンと軽自動車を除いて、日本メーカーの殆どの新車(トヨタはクラウン、プレミオなど国内専用車が多い)は、巨大なアメリカ市場ないし中国市場向けに開発された車のおこぼれを日本で売っている有様だからだ。オデッセイにしても中国市場の方が販売台数が多いのである。
ただし、レギュラーガソリンのオクタン値の向上は軽自動車の性能の底上げには役立つかもしれない。ターボ仕様でも、田舎の足としてレギュラーガソリンでも走ることが要請され、欧州車のようにレギュラーだと大幅に性能ダウンするかノッキングするような車は売れないからね。 軽自動車を足に使う普通の小母ちゃんはエンジンがノッキングしようがレギュラーを入れ続けるだろう。

ヨーロッパメーカーの小型車がアメリカに輸出できないのは、アメリカの低質なレギュラーガソリンに対応したエンジンを作れないか、無理につくろうとすると、排気量を大幅にUPするか、性能をがた落ちさせるしかないからである。高級車でも、一時のBMWにはイータエンジンという排気量の割に出力がなく、回らないエンジンがあったが、アメリカ仕様である。560SELもアメリカ向けの低圧縮比のエンジンであった。排ガス規制のおかげもあって、ジャガーも北米仕様は出力がガタ落ちであった。4Lで200馬力を大きく下回っていたのである。 最も当時のアメ車のV8エンジンも排ガス対策で悲惨な性能であり、5Lで150馬力なんて普通だったので、アメリカ人は気にしなかったのかもしれない。こういったV8エンジンでも低速トルクこそはあったようだが。
だいたい、車に対する嗜好が欧州と北米ではまるで違う。日本はこの中庸である。アメリカ人がVWゴルフ一族を買う必然性はない。イタリア・フランスの大衆車はかなり前に米国から撤退してしまった次第である。 好き者が買いそうなアルファロメオすら、まともにアメリカでは販売されていないのである。

ガソリンオクタン価引き上げ要請でエンジンのダウンサイジング進展の可能性 自動車業界がレギュラーガソリンのオクタン価引き上げを石油業界に対して要請し、日本でガソリンエンジンの高効率化がさらに進む期待が高まってきた。オクタン価の引き上げはガソリンエンジンの低燃費化につながる圧縮比の向上に不可欠な要素だが、日本のレギュラーガソリンは欧州に比べててオクタン価が低く、日本メーカーは高圧縮比技術で欧州メーカーに後れをとっている。実現されれば、欧州メーカーが先べんをつけたエンジンのダウンサイジングの動きが日本にも波及する可能性がある。 今後の石油政策について議論している経済産業省の検討会で、自動車業界が現状90のレギュラーガソリンのオクタン価を欧州並みの95に引き上げるよう石油業界に申し入れた。これまで両業界の間でたびたび議論されたオクタン価引き上げだが、自動車業界が正式な形で要請したのは初めてで、実現に向けて大きく前進したことになる。 オクタン価を上げるとエンジンの圧縮比を高めることができ、エンジンの燃料効率が向上する。レギュラーガソリンのオクタン価が90の日本と95~98の欧州でガソリンエンジンの圧縮比を比較すると、欧州の方が圧縮比が5~10%高い。そのため、欧州では高圧縮比の小排気量 の実用化が進み、燃費の向上と二酸化炭素(CO2)削減が進んでいる。

http://www.njd.jp/administration/20071127-001.html

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