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メガドリーム号VS国際線ファーストクラス [航空]

2007年12月、関西への往復を、高級と格安の両極端の2手段でやってみた。
2回の事故で、今や青春メガドリーム号の運転再開はまず無理な情勢になったので、一つの記録としてお読み下さい。

そもそも大阪行きの飛行機が国際線かと突っ込まれそうだが、国際線接続用(といいながら国内線扱いなので、割引が回数券と往復割引しかないだけで、普通に区間利用が可能である)の成田ー伊丹線の最新型777-300ERのファーストクラス席である。以前は事前座席利用が不可能であり、国際線区間でファーストクラスなど運賃単価の高い客、最低でもJGC以上の資格を持っていることが利用条件となっており、区間利用ではビジネスクラス席が関の山だったが、今はクラスJ料金を払えばビジネスクラス、ファーストクラスの席を利用できるようになった。
http://www.jal.co.jp/inflight/inter/first/f_seat/
747-400のニュースカイスリーパーソロはシカゴ線のファーストクラスで利用経験(さすがに有償ではないです)があるが、777-300ERのファーストクラスは初めてであった。そもそもJALの773ER自体に乗るのが初めてである。 いまでは更に新しいJALsuiteという仕様が登場しているが、横3列から4列に詰め込み仕様になり、前の仕様を好むひとも多いようである。
なお運賃は、2007年10月の値上げ前に14000円台で購入してあった回数券利用のため、トータルでも15000円台であった。新幹線の普通席に比べて決して高価ではなく、新幹線のグリーン車よりはるかに安価である。

一方のネオプランメガライナー利用の青春メガドリームはわずかに4300円。本当は3500円の割引運賃を使いたかったが、当日まで空席が出なかったため、無理だった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC
いろいろルートに謎があり、特認の超大型車のため運行ルートに制限があることは知られているが、わざわざ狭い北口から新阪急ホテル前に抜けていく理由は謎。下りのルートはいかに?新御堂筋は側道経由だが、どうして本線じゃまずいんだろうか?カーブがあるわけでもないし、井の頭通りのように極端に車線が狭いわけでもない。どうやら識者によると新御堂筋の本線には荷重制限があるらしいが、4軸ならば軸重主義で許可してもいいのではないかと思った。

しかもスピードを出さないためか、異様に時間がかかる。大阪2240発で東京820はありえない。どうして600キロ程度の距離に10時間近くもかかるのだ?夜中なら、もしかすると御殿場から浜松まで下道経由にしてもそれだけ時間があれば着くだろう。迂回ができないので、緊急時のために余裕時分を取っておいて、実際には6時台に派手に早着かと思ったら、そうでもなかった。どうせならそこそこは早着してほしかった。
地方発着の高速バスで、そんな時間には何も開いていないない駅前に早朝5時ころに叩き出されても、旅行客は途方にくれるだけだが、東京、大阪なら、どんな極端な時間に発着されても、どうにかなるものだ。本当は定時で5時到着の夜行バスも東京ー大阪では需要があろうし、韓国のように夜中2時3時ころ発車というのも、遅い宴会の後で目的地に向かうバスに乗れるという点で、潜在需要はあるように思う。
とはいえ、朝の8時を過ぎてから目的地に到着する夜行バスというのは新鮮で、意外と眠れて疲れは取れるものであることを認識させられた。睡眠時間3時間とかいう人は知らないが、疲労というものは睡眠開始から数えて6時間から8時間くらいの間に急速に恢復するものなのではないかと思う。かつて、鉄道マニアの映画監督の実相寺昭雄が著書で
「夜行列車の到着時間は6時台では早すぎて疲労が取れない。かつての銀河のように9時到着くらいが望ましい。」
と言っているのを読んで、自由業の気安さを一般化する世間知らずに呆れたものだが、一面の真理ではある。(本当はそんなに到着が遅かったら、昼行の新幹線などに追いつかれてしまって、夜行列車の時間的メリットがなくなってしまうのだが)

両方乗ってみた結論。
第一に、ファーストクラスの快適性は異常だが、所詮席がよいだけであり、12月から始まった真の国内線ファーストクラスにはソフト面で劣る。フルフラットシートを国内線運用で試すのは貧乏性であり、極めて恥ずかしいし、ゆっくりする時間がない。ただ離着陸で座っているときの居住性、すわり心地は秀逸。スカイラックス、国内線クラスJに見られるような胴長短足の日本人オジサン体形には少しも顧慮しておらず、快い。まあ実はJALの国際線ファーストの最大の顧客はアメリカ人のエグゼクティブであり、日本人ビジネスマンは営業UG以外で乗れる人々は極めて限られるのだから、うべなるかな。
(昔は、課長補佐級以上の公務員は欧米出張にファーストクラスを利用できたが、一般社会の嫉妬とビジネスクラスの設備向上で、無理になってしまった)。

これに対して、人がいうほどメガライナーの居住性は悪くない。夜行仕様でないので、肘掛けが貧弱である点、通路が無駄に広い点などいろいろと無理があるが、トータルではボロボロの観光車使用のツアーバスとは別世界である。4軸のダブルデッカーというのは鉄道車両的な乗り心地で、座席を選べば快い揺れを提供してくれる。
リクライニングシートの角度は少ないのは、かえってビジネスライクでいい。だいたいDQNほどめいいっぱい傾けようとするものであるが、中途半端な角度は人間工学上、体の負担になるだけである。さすが輸入車だけあって、座席の座面の奥行きはたっぷり取られていて膝が遊ばず、リクライニングしない状態でのかけ心地はなかなかである。堅すぎる点では、一時のE231系のロングシートのつくりを彷彿とさせるが、メトロの08系(と同タイプの05系)の理不尽な構造の椅子(身長150センチの人が設計したのか?)とはあくまで別世界である。だいいちシートピッチ、横幅などの数値は標準的な国際線旅客機のエコノミークラス並みだし、ANAの777、747-400の席よりも広い。幅はやや違うようだが、シートピッチはあれだけ宣伝しているSQのA380のエコノミークラスと同レベルである。
・普通のドリーム号を通り越して、スーツ姿の出張リーマンがこんな格安バスに何人も乗っていたのには驚きであった。そこまでして出張旅費を浮かしたいものだろうか?自分の楽しみのためだから耐えられるのであって、仕事が目的で移動する際の手段としてはご遠慮したいというのが正直なところである。その他の客層は意外と成田線の飛行機と変わらない。
(要するにどっちに乗っているのも暇人、変わり者ということ。普通の人は東海道新幹線か、せいぜい777の普通の羽田伊丹線に乗るものである)。
なんだかんだいって日本は均質な大衆社会です。アメリカだったら、グレイハウンドの夜行バスにスーツ姿のビジネスマンが乗っていることはありえない。

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