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書店の上級会員制度 [書店]

デパートの外商制度のようなものが最も似つかわしいと考えられる。
・一般客と読書家の購入量、額が桁違いである
→一年に1000冊本を買うとか、収入の半分を本に費やすといったことは読書家には当たり前。
→上顧客を優遇する意味が大きい
・嗜好品なので、購入の限度が経済面以外にほぼ(収納の問題はあるが)存在しない
・値引き販売が原則的にない。
→販売額の拡大が利益の拡大につながる。
・アカデミズムの世界に属さない人の潜在需要を書店、出版社が情報を集計するのが困難である。

現在でもジュンク堂やブックファーストなどの書店では、1万円以上の購入などの基準によって、送料無料、喫茶券サービスなどの特典があるが、一回あたりの購入額を増やすモチベーションにはなっても、継続的に一つの書店で購入するということにはならない。1万円でも10万円でも同じ待遇というのもばかげた話である。
いちおうデパートの書籍売り場としては破格の品ぞろえを誇る池袋の西武百貨店のリブロの購入分は西武百貨店のクラブオン会員の会員ランクの認定に利用することが可能である。
https://www2.seibu.co.jp/usrinfo/clubon/benefit/rank.html
ただデパートのプラチナサロンの利用や駐車場の優待などを受けることはできても、書籍売り場の独自のサービスについては謎である。誰か人身御供になってください。

以下のような会員制度を持つ書店が登場すれば、学会、著者割引関係の本、古本を除いて、購入をそこに集中させたいものである。基準だが、デパートの会員制度などに倣い、10万円程度から始まり、100万円を公式の最高ランクとするのが適当であろう。ただシンガポール航空のPPSソリティアやJGCのタグの色の違う人たちのように、過去にある程度の実績を備えた人を優遇するのが適当だろう。
ただ店頭在庫が質では神保町の東京堂、量では八重洲ブックセンター程度を備えていることが望ましい。書籍は所詮、店頭で手にとってみないと内容の出来が分からないからである。

・駐車場の圧倒的優待
本屋で書籍を物色していると2時間なんて余裕で過ぎる。そんなときに駐車場代がかかるのは憂鬱である。三越のプラチナ程度の優待を期待したい。

・専用レジの導入
数千円の購入額の客と万単位で毎月のように本を買う客を同じレジに並ばせるのは、小売の常識としておかしい。あれを待っている間は疲れるものです。ジュンク堂の集中レジは問題がある。

・デパートの外商サロンのようなものを作る。
ジュンク堂の喫茶券(あれも無期限のものが存在する模様。実は隠れサービスが始まっているか?)を充実させたような感じ。中には高価な限定書が手に取れるような形で並び、ソファーに座って茶菓のサービスがある。知識豊かな専任の担当者が応対。たまには売り場までエスコートする。
こういった会話を楽しみたい読書家は多いだろう。意外と学会とかの会話は蛸壺で話題が限られているものです。

「筑摩の『柳田國男全集』っていつ完結するのかな」
「今は晩年の未単行本論考に次いで、初期の論考が出た所ですね。書簡などはまだまだでしょう。」
「これじゃ筑摩の全集恒例の十年コースだね。『大岡昇平全集』も長かったけど。『定本柳田國男集』のおかげで刊行は早いと思っていたのに。」
「『世界古典文学全集』はセットのご購入ありがとうございました」
「最後の巻の『老子』とかは肩透かしだったね。まあロマン主義以降の作品に偏りがちで、西洋の18世紀以前の古典を十分に知らない日本の文化状況ではありがたい企画だったね。最近の京大出版会も翻訳で頑張っているけどね。さすがにラテン語だけだとくつろいで読書とはいかないね。」
「ところで岩波の『網野善彦著作集』の予約締切が近いですが、どうされます?」
「内容見本を見たけど、あれはご本人が恥ずかしい限りだとして焼いて捨てたいといっていた左翼運動時代の初期論文がちゃんと収録されているんだね。岩波の全集は安いし、なんだかんだいって買っちゃうのが怖いね。筑摩は新書が内容もひどいけど、専門書も高くしちゃってね。『柳田國男全集』はページ数の割りに安いと思っていたら、けっきょく一冊10000円コースだね。」
「日本史のことですけど、吉川が『新訂増補国史大系』の紙型を捨ててしまうそうです。」
「活版印刷ももう終わりかな。戦前はよくこんな活字を職人芸で作ったものだよ。今昔文字鏡も漢字として美的にはどうかね。まあ。在庫を早速調べてほしいね。まあ『吾妻鏡』も現代語訳が出るみたいだけど、巻数ばかり増えるだけだよ。多少テキストには問題があっても、調べ物には『国史大系』だね。」
「まだ『本朝世紀』辺りはまだ在庫ありますよ。」

・専任の外商担当が配送を兼ねて自宅をたまに訪問する
さりげなく持ち主と話をしながら書斎の本のラインナップなどから脳内を確認し、セールスの材料にする。本を置く場所がないという悩みには、収納法、書庫の建築法などをコンサルティング。

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