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ベテラン衆議院議員ランキング [政治]

衆議院から参議院への鞍替え組を加えると、現職の議員の中では意外な結果が出てきた。
基本的に議員の大物度は年齢ではなく、当選回数で決まるもの(だから官僚のトップから政界に転じた後藤田正晴は、はるかに年下の小沢一郎の後輩である)であるが、何度か落選したりしていると、権力は落ち、その回復は容易ではないようである。
だが総理大臣や自民党党三役への就任順など、順当に毎回当選してくれば年功序列がよく効いていることが分かる。奇人変人と言われていた小泉純一郎や、当時は戦後最年少の総理だった田中角栄にしても、当選した年からは自然な就任だということが分かる。
歴代総理の中では、細川護煕と安倍晋三だけが、当選回数から言って異常な存在である。

・( )内は引退、故人

1958年以前初当選 存在せず (安倍晋太郎 竹下登)

1960年初当選
海部俊樹 まだ議員でいたのかという感じだが、落選経験もなく、圧倒的にトップ (宇野宗佑)
1963年初当選
西岡武夫 (橋本竜太郎 小渕恵三 渡辺美智雄 伊藤正義)
1967年初当選
河野洋平 (塩川正十郎)
1968年参議院初当選→1986年衆議院 中山太郎
1969年初当選
森喜朗 小沢一郎 渡辺恒三 綿貫民輔 羽田孜 石井一 横路孝弘 
(土井たか子)  (奥田敬和)
1972年初当選
小泉純一郎 加藤紘一 山崎拓(つまりYKK) 野田毅 保岡興治 (村山富市)
1976年初当選 
中川秀直(ただし2回落選)  与謝野馨 鳩山邦夫 深谷隆司 鹿野道彦 中野寛成 中井洽 中村喜四郎
(後藤田正晴)   
1979年初当選 
麻生太郎 亀井静香 船田元 丹羽雄哉 保利耕輔

これを見れば容易に気がつくことがある。
・古い議員の殆どが自民党から野党に移るか、海部や河野のように干されている。異彩を放つ中山太郎も参議院からの外様組であり、高齢もあって過去の人であり、もはや影響力は殆どない(選挙前の参議院最多選の社民党の田英夫「男爵!」なみか?2001年過ぎの空白を除いて36年も議員だった!!)。
・現在の自民党では森喜朗と小泉純一郎が勢力を持っているのは、当選回数の件からも首是される。
・新自由クラブにいた議員は政界経験の割りに不遇をかこってきた。
ちょっと前、つまり小泉以前の自民党には、地元民以外には名はそれほど知られていなくても、知る人ぞ知る ベテランの大物がいた。山中貞則や二階堂進(1996年まで議員だった!!)、原健三郎、桜内義雄といった人たちである。こういった人たちは権力とは縁がなくても衆議院議長になるなどの栄誉を得ることは出来た。
それを森、小泉政権下で3回も衆議院議員選挙をやった間にすっかり定年制などで引退させてしまったのである。存在感が薄く、権力とはあまり縁のないような人物でも、議員としているだけで無言の存在感を発揮するものであり、ここぞという時に存在する意味が出てくるものである。
現在の自民党では、森と小泉が圧倒的に権力を持ったベテランであり、加藤紘一や河野洋平に次いで山崎拓まで完全に干してしまっている体制である。1976年当選の鳩山邦夫、中川秀直までも外様組であり、その権力は森=小泉に及ばない(この二人は対立しているように見えるが、すべては演技である。チーズ事件の後にも直ぐに手打ちしている)。

それに引き換え、(人物の評価はさておき)民主党にベテラン議員が多いことは驚くに値する。今回の参議院議員選挙の躍進で西岡武夫、石井一といったレアキャラまで比例区下位で当選してしまった。

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