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小田急電鉄が東名高速と接続特急を運転 [鉄道]

小田急電鉄は4月1日、秦野~東海大学前間の新駅建設と、パークアンドライド形式の特急列車運行の計画概要を発表した。

同社の発表によれば、同社小田急線の秦野駅と東海大学前駅のほぼ中間の、東名高速道路との交差地点付近に1000台規模の駐車場を確保した新駅を2012年度をめどに開業し、新宿駅と小田原・箱根湯本の間を結ぶ特急「ロマンスカー」を停車させる計画だ。当面は特急「さがみ」を新駅に停車させ、「ホームウェイ」を新駅まで延長運転する予定だが、利用状況を見て新宿駅と新駅をダイレクトに結ぶ専用特急も運転される模様だ。所要時間は、新駅から新宿まで1時間以内になるという。
近年、少子高齢化の進展で、首都圏の大手私鉄の沿線の通勤通学需要は減少傾向にあり、沿線外の新たな顧客・需要獲得に向けた経営戦略、ダイヤ改正の動きが進んでいる。東急東横線の特急運転や東武日光線とJR東日本の直通特急の運転が好例だ。
今回の小田急の計画が狙うのは、高速無料化・上限料金制の導入によって増加する首都圏への自家用車需要である。具体的には静岡・中京方面から東京への行楽・買い物客を取り込もうとの計画である。
同社の車多企画室長は計画の意図をこう語る。
「2012年度には第二東名高速が御殿場~三ヶ日の区間で部分開通する予定で、東海道新幹線からの旅客転移が予想されます。高速道路のETC割引によって多くの行楽客が長距離の移動でマイカーの移動が経済的で快適であることに気付いたのです。土日祝日の高速1000円で渋滞のイメージばかりがマスコミの報道で注目されていますが、多くの渋滞は首都圏近郊の一部の区間のみで起こっており、静岡県内まで渋滞するのは夏休み、連休など特殊な時期だけです。6月からは従来のETC割引が廃止され、上限制に一本化される見込みです。そうすれば移動の分散が進み、首都圏近郊以外の高速道路の渋滞はかなり解消されます」
「しかしながら、なぜ地方から東京にマイカーで来るという需要が少ないのでしょうか。それは首都圏近郊の渋滞と、都心の駐車場の問題です。今回の新駅と特急のパークアンドライドはそれらの問題をすべて解消します。」

東海道新幹線に比べて、最高100キロ程度の高速道路では、所要時間の不利はないのだろうか。鉄道と他の交通手段の競争に詳しい鉄道アナリストの川島令三さんはこう語る。
「マイカーのメリットはドアツゥードアの移動が可能な点があり、乗換などの時間的ロス、手間がないという点に集約されます。「のぞみ」で東京駅から名古屋駅までの移動時間は1時間43分ですが、名古屋駅までのアクセス時間が馬鹿になりません。豊田市からは1時間程度がかかります。これに対して豊田市から御殿場までの高速道路の距離は200キロ程度で、渋滞がなければ2時間程度で到着します。小田急の乗車時間は1時間程度で、新宿までのアクセス時間は新幹線とあまり変わりません」
「お父さんが仕事で出張する時と家族の移動は全く違います。乗換は子供つれでは大変ですし、地方都市や中京圏の人たちは電車での移動に慣れていません。」
「家族連れの移動を鉄道に引き戻すには、魅力的な割引運賃と、多様な車内サービスでクルマに勝つ必要があります。国鉄の分割民営化以降、JR東海は初めはサービスの改善に積極的に取り組みました。100系新幹線の2階だてグリーン車や個室、食堂車などにあこがれた人も多いでしょう。」
「ですが、東阪間の出張客の需要ばかりに目が向き、スピードだけの「のぞみ」に運行を特化し、今や残っている付加サービスはオーディオサービスくらいです。それさえグルーン車でもイヤホンの購入か持参が必要ですし、普通車だとFMラジオが必要です。飛行機なら普通席でも飲み物は無料ですし、ヘッドホンも無料で配られます。クルマなら渋滞の中でも車内で自由に音楽やDVDを楽しめます。新幹線とは快適性が比較になりません」 
「小田急のブランド力というのは大したもので、ロマンスカーと言えば私鉄特急の代名詞です。子どもが乗りたがる乗り物として新幹線と並ぶ存在です。マイカー客を取り込む力があります。」

小田急は初期の顧客獲得手段として、神奈川県以外の旅客の駐車場無料サービス、小田急百貨店での一定以上の金額の買い物で往復特急料金・運賃無料などの案が上がっているようだ。
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