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国鉄時代の視点そのままのJR東海 [鉄道]

JR東海にとって、国鉄債務の負担はケレス氏のコメント通りです。粗利益率から言って当然とは言えるのですが、本当は国鉄の地域分割自体の失敗でしょう。

だいたいJR東海にシートコントロールという発想がない。昼間の閑散便や深夜便に飛行機の特割1みたいな価格格差を導入すれば、高速バスや飛行機は壊滅しますよ。飛行機は別として、高速バスなんて安いから乗っているのであって、同じ値段で新幹線で移動できれば、昼行で2時間半を切る区間で誰も夜行バスなんて乗りません。TGVでもDBでもアムトラックでも、そういう激安運賃を含んだ運賃体系になっています。それでいてビジネス需要の多い朝夕の便は割り引かない。
ビジネス需要が安い便に流出することを心配しているのでしょうが、割引の時間帯を絞ったり、安い運賃に乗車変更を禁止すればいいだけです。そうして、日本でも航空各社は割引運賃の払い戻し手数料でも儲けています。前便変更ができた前売り21から旅割系への改悪は、手数料稼ぎです。
まあ京都・大阪向けのホテル1泊付きの一部のツアーでは列車限定で大幅な割引をやっています。が、知名度が低く、飛行機の同様のツアーに比べてあまり利用されていません。旅行代理店でもその種のパンフレットの扱いも小さい。

グリーン車3両も需要を無視した暴挙ですね。100系グリーンの時代に客が集中してG編成で3両にして、わずかな本数で客が集中した初期「のぞみ」でグリーン車3両を持続したわけですが、のぞみ8本ダイヤでは無駄の長物です。
飛行機はもっとシートコストにシビアですから、同様のことが起これば普通席を増やすか、グリーン車の1両をラウンジなどにして、快適性を高めます。DBはICE1を最近改装しましたが、ICE3のように食堂車の廃止はせず、1等車の座席の交換に止めました。
確かに食堂車より1両のグリーン車の方が利益率は高いのですが、それはグリーン車の乗車数が2両分を超えた時だけです。普通席が満席になっても、グリーン車がそこまで混むことがどれだけあるでしょうか?
現在のグリーン車は窓側に1席しか座らない状態で快適性を確保している面がありますし、その施策は支持できます。
しかしながら、それならJR九州やJR東日本のように、グリーン車の上のクラスを作って、より高い運賃を取ればいいだけです。座席数は従来のグリーン車より減りますが、どちらも満席にならない状況だと、値上げした分だけ利益が上がります。
現状の東海道新幹線のグリーン車ではサービスと快適性の点で、JALのファーストクラスには相手になりません。(N700系のグリーン車の座席はリクライニングしない時の座り心地が従来より悪化しています。前ならフルにリクライニングしている客は少なかったのに、N700系だけ多いことが多頻度利用客の厳しい目を物語っています。)

東海道新幹線の貧弱な設備に特化したN700系をアメリカに輸出しようとして、葛西会長が渡米したものの
「最高300キロしか出ないの?そんなの時代遅れだよ」
と向こうで言われてしまったのは喜劇的でした。
(北米生産による雇用拡大にも意見が集中しましたが)
・車体傾斜なんて、最初から路線の回転半径を大きく作れば要らない(アメリカの高速新線計画はどれも完全新線です)。
・N700系の先頭形状はトンネル突入時の衝撃波などに配慮していますが、スペインやフランスなど最近の高速新線建設では、トンネルの断面を大きくしたり、入り口をラッパ状の形状にすることで衝撃波対策をするのが一般的です。

海外輸出の点ではN700系のメリットはそれほどないのです。
無条件にJR東海の人たちは「東海道新幹線は世界一」
と国鉄時代のままに盲信しているけど、世界は違うのです。
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