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4000m滑走路は国際空港に不要である [空港]

(前回のハブ空港論の続き)
羽田国際化の議論だと常に
「4000m滑走路が必要だ」
という厨房が出てくる。

現在の航空機技術では、離陸はともかく、着陸なら2500mもあればどんな飛行機でも問題なく余裕をもって着陸できる。それはある程度オーバーランなども含んで余裕を持った数値であり、実際には2000mもあれば殆どの場合は停止してしまう。
これには最近に実例があった。 3月にフェデックスのMD11が成田の第一滑走路で着陸に失敗して全焼して26時間も滑走路が使用停止になる大トラブルが起こった。つまり暫定滑走路のみの運用となり、777以上の大型機は離発着が困難になるということであった。多くの国際線の飛行機が関空、中部、新千歳、仙台などに緊急着陸した。
が、何機かのJALの747-400は客を乗せたまま2100m程度の暫定滑走路に強行着陸したようである。

http://www.airtariff.jp/syu/bbs0180.html
成田Bランの744着陸? お名前:不思議太郎  -------------------------------------------------------------------------------- 23日午前6時48分頃、FEDEXのトラブルが発生後、 JL472(B744) 6:55 JL710(B744) 7:00 がNRTに着陸しています。 747クラスでも、いざとなれば最大限の逆噴射でBランでも 着陸できるのでしょうかね。


青森空港や道東の空港では冬の凍結時の余裕として3000m化を主張しているが、成田の場合はそれも必要ない。

誤解されているが、高地(1000m以上)にあって気圧が低い場合以外は、離陸でも747の荷物満載、燃料満タンの最大離陸重量の場合でも3300mもあれば離陸できるように、全ての大型機は設計されている。どうして世界の主要空港が4000mあるかというと、非力な大型プロペラ機の時代の名残である。ストラトクルーザーなどは4000mないと、まともに離陸できなかったようである。
現代ではセントレアや関空の第一滑走路は3500mだが、何の問題もなく長距離の旅客便も貨物便も運用できている。
実際には3000mでも重量級の747Fの貨物便以外は、日本発の旅客便の場合は問題はそれほどない。
日系2社(だけでなくて多くの海外大手航空会社で)最新の長距離機材である777-300ERの場合は、3000mあれば、燃料も貨物も満載で離陸できるようである。

国際線747の最大離陸重量の三分の一以上はジェット燃料だが、それほどの燃料の搭載が必要とされる行き先は日本からの直行便に存在しない。一番遠いのはアメリカ東海岸のアトランタ、ワシントンあたりだが、太平洋路線の東行きは追い風のジェット気流があるので恵まれており、わざわざ無駄な燃料を積んで機体を重くして、さらに多くの燃料を結果として使用するのはこの原油高の時代にはありえない。アエロメヒコのティファナ経由メキシコシティー行きの777-200ERなどは発着枠の関係で暫定滑走路から離陸しているし、AAアメリカン航空もよくやるようである。AAはNWやUAのように第一滑走路の発着枠を潤沢に持っているわけではなく、ワンワールドの第二ターミナルからだと第二暫定滑走路からの方がタキシーイング時間を節約できるからだろう。
本当に現代の長距離旅客機が最大離陸重量を使用するほど燃料を搭載する必要があるのは、7500マイルを越えるヨハネスブルク~NY、フランクフルト~サンチアゴ、さらにはA340-500のバンコク、シンガポール~NY直行など特殊な路線のみである。 日本発着とは関係がない。

羽田については、以下の記事のような長さの延長が現実的であろう。
政府・与党は、羽田空港のC滑走路(全長3000メートル)を南東の海側に約350メートル延伸する 方針を固めた。追加経済対策に盛り込み、2009年度補正予算に調査費を計上する。 C滑走路の延伸によって、深夜・早朝に大型機で欧米便を運航できるようになる。羽田の国際競争力が 高まり、ビジネス客の増加や外国人観光客の誘致などによる間接的な景気浮揚効果も期待できる。 滑走路を延伸しても、空港の敷地は現在のままで、新たな埋め立ては行わない。ただ、滑走路を延ばす 部分の地盤改良工事を行う必要があるため、完成までに5年程度かかる見通しだ。 羽田では、4本目として建設中のD滑走路(全長2500メートル)の運用が始まる10年10月以降、 深夜・早朝にも国際便が就航できるようになる。ただ、大型の旅客機が、北米や欧州など向けに燃料を 大量に積んだ状態で離陸するには、滑走路の距離が足りないと指摘されていた。 ▽ソース:読売新聞 (2009/04/04 19:07)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090404-OYT1T00731.htm


長い滑走路を望むのは、ろくに地上設備も伴わないのに体面を保とうとする独裁国家か途上国の空港のみである。平壌の順庵空港のようなものだ。たいていそんな空港は滑走路の路面も荒れていて、地上支援設備も少ない。

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コメント 30

NO NAME

ハブ化の話が再燃しこの記事へのリンクを見て読ませていただきました。

>が、何機かのJALの747-400は客を乗せたまま2100m程度の暫定滑走路に強行着陸したようである。
と掲示板のリンクを張りお話を進めていますが、
掲示板では実際は着陸してないようだという話の流れになっているのはわざと見逃しているのですか?
せっかく面白い記事なのにもったいないですよ。

成田の気象台がウインドシアに注意しろと言っていた環境下で
きっちり端にランディングできるとも限りませんし
JALが着陸を強行するとは思えないですよね。
by NO NAME (2009-10-14 22:04) 

通りすがり

突然失礼致します。

>それほどの燃料の搭載が必要とされる行き先は日本からの直行便に存在しない。
日本出発の最大航続距離路線はない→燃料満タンにする必要がない
と勘違いしておられるようですが、
例えば成田→NYの実際の搭載燃料はおおよそ160tで、これは最大燃料量の約92%に相当します。
100%近く搭載することも珍しくありません。
風向きに恵まれている区間でも、ペイロード量によって搭載燃料と航続距離の関係は大きく変化します。

>747の荷物満載、燃料満タンの最大離陸重量
これも違います。
荷物満載(最大ペイロード:85t)、燃料満タン(174t)だと、最大離陸重量を47t上回ることになり飛べません。
人、物、燃料をうまく案分しているのです。

4,000m滑走路の件も勘違いしておられますよ。
ほかにもいろいろアラが目立ちますがこのへんで。
上の方も言われてますが、このテの記事はきちんと調べてからお書きになった方が。
by 通りすがり (2010-10-23 20:58) 

東雲のミネルヴァ

>>通りすがりさん

専門的なコメントありがとうございます。

NY線の747の事例は知りませんでした。不明を恥じます。
ただ燃料100%というのは貨物も相当積んだ状態でしょう。
それほど一般的ではないと思います。

ただしもう777の時代ですから、747より離陸性能は上がっています。

最大離陸重量の件は按分のことを考えています。表現が舌足らずでした。貨物機などは燃料を敢えて減らしてアンカレッジ経由が普通ですね。ただDC8の時代でもなければ、乗客まで制限して飛ばさないといけない状況は普通ないでしょう。

4000m滑走路の勘違いの件はコメントだけでは了解できません。
平地で、3500m以上離陸滑走に要する事例はあるのでしょうか?
by 東雲のミネルヴァ (2010-10-28 16:05) 

通りすがり

返事が遅れてしまいましたが、4,000m滑走路の件について書かせて頂きます。
4,000m滑走路が存在する根拠として、「非力な大型プロペラ機の時代の名残である」
と書いておられますが、それではそれ以後の時代に続々と作られた各国の4,000m滑走は、
その「名残」でなんとなく長さを決定していることになってしまいます。
あれだけ巨額の負債が問題になっている関空が確たる根拠もなくわざわざ4,000mの海上滑走路を新設すると思われますか?

>3500m以上離陸滑走に要する事例はあるのでしょうか?
離陸滑走のために必要なのではありません。離陸中断時の減速用に必要なのです。
実際には4,000m以下でも長距離路線の大型機の運用がなされていますが、
それはトラブル発生時でも滑走路内に止まれることも含めてきちんと離陸重量を計算した上でのことです。
諸条件下で必要な滑走路の長さはきちんと算出することができ、
このことは入門書等にも載っていますので宜しければご確認ください。
天候等の諸条件も合わせ、滑走路の長さがネックで搭載量を減らさざるを得ないケースも実際にあるため、
超長距離の大型機の能力を安全にフルに発揮するために、4,000という数字が出てくるのです。

更にもう1つ、次世代の更なる大型機やSSTへの対応として4,000mは必須とされています。
SSTに関しては各国で研究が続けられており、私の知る限り、SST空港は欧州に2、米国に2、アジアに1必要になるだろうと言われています。
これに乗り遅れまいと各国が水面下で動いており、国内でも数か所で誘致活動が行われています。
関空(羽田)の4,000m滑走路、次世代の大型機やSSTの必要性の是非はともかく、
4,000m滑走路が必要とされる根拠は、物理学と安全面の問題です。
by 通りすがり (2010-10-31 07:40) 

NO NAME

間違いだらけの記事は何ら訂正を加えることなくそのまま残し、正確な情報は即日削除ですか(呆)

突っ込まれたのがそんなに癪に障るのなら、記事ごと削除が筋なのでは?
普段書いている内容と矛盾してますよ(笑)
by NO NAME (2010-11-20 18:51) 

ちび

4000m滑走路の必要性というのは、強いて言えばパイロットに与える精神的ゆとりでしょう。上の方も書かれているように急に離陸を中止する場合などにですね(ひとりのパイロットが一生に一度あるかないかだと思いますが…、あとブレーキが故障するなんて事もあるんでしょうか)。ただ成田のように長距離の大型機がバンバン飛んで来る空港ならともかく、関西空港は国際空港とは言っても近距離のアジア路線が中心であり、4000mまではいらないでしょう(そもそも2本目がいらないわけですが…)。

4000mの滑走路というのが土地に制約のない所ならば作っていいのです。ただ日本の大都市圏で滑走路を作ると1本1兆円かかるわけですよね。滑走路の長さが500m違っても建設費が1000億円程度は変わってきます。また場所にもよりますが、滑走路を長くすると騒音地帯も広げなければなりません。4000m滑走路の必要性がゼロとは言いませんが、やはり費用対効果という面では、日本の国際空港には4000mの滑走路は必要ない事になります。

アジアの主要空港では4000m前後の複数滑走路がありますが、土地に制約がない(少ない)から作れるのであり、土地に制約のある日本ではそこまでは作れないという事ですね。

SSTについては本当に飛び始めるのは何十年も先の事です。このまま永久に飛ばないかもしれません。その頃になって滑走路の延長を検討すればいいでしょう。

それから例のフェデックスの事故の時に成田のBラン(当時は2180m)にB747が着陸したというのは、ネット上では噂になっていますが、真偽の程は不明です。
by ちび (2010-11-22 01:36) 

東雲のミネルヴァ

>>No Nameさん
ハンドルネームについては問いませんが、専門に通じた方のようですから、もっとデータに基づいた話をしてもらえませんか。ご趣旨は十分承りましたが、理想と現実の問題を混同し、費用対効果を無視したような議論という気がいたします。SSTなんて今や大陸間真空列車と同レベルでしょう。
中央省庁で「そんなの無理ですよ」と言って、事務官の意見を門前払いする技官王国の法則を思い出しました。

>>ちびさん

貴重なコメントありがとうございます。
by 東雲のミネルヴァ (2010-11-25 15:18) 

NoName改め774

「もっとデータに基づいた話を」
データから話をするのは構わないんですが、そのデータに基づいた話を即日削除したのは他ならぬ貴方ではありませんか。

「理想と現実の問題を混同し、費用対効果を無視したような議論」
確認しておきたいのですが、これはSSTと4,000m滑走路は必要という話のことを指しており、按分と離陸性能に関してはご自身の表現が不適切だったと納得した。という理解で話を進めていいでしょうか?
失礼ながら数字に弱い方かとお見受けしましたので中学生でもわかるように書いたつもりなのですが、中学レベルをご理解いただけていないとなるとこの先の話が難しくなるもので。。。
私は「専門に通じた人間」などではなく、一介の素人に過ぎませんよ。
もしもこの件で反論があるのなら、是非貴方もデータからお願いします。

「SSTなんて」
この記事に関してなぜSSTが出てきたのかきちんと理解していますか?
貴方が4,000m滑走路の根拠として挙げた「プロペラ機の時代の名残」を否定する、それ以外の根拠の1つとして出ているんですよ?
SSTは根拠の1つとして挙がっているのであり、実現の可能性について話してるんじゃありません。話をすり替えちゃ駄目です。
実のところ、私もSSTには懐疑的なのですから。
それでも、各国で国家予算をつけてまでSSTの研究をし、将来対応できるよう追従する空港側の動きは事実としてあるわけです。
そのSSTを一笑に付し、興味深い法則を思い出すのは大いに結構なのですが、であるならば、貴方の挙げた根拠は当然それに勝るものなんですよね?
4,000m滑走路の根拠は「プロペラ機の時代の名残である」と断言するに足る典拠を是非ご提示ください。
私はこの件をまったく知りませんでした。検索してもこの記事がヒットするばかりで非常に気になってます。
by NoName改め774 (2010-12-03 08:57) 

東雲のミネルヴァ

懇切なコメントありがとうございます。
当方の多忙のために、ご返事が遅れて恐縮いたしております。

私も文系の人間で、数学はとても不得意ですが、社会科学で使用されている数式モデルくらいまでは追っかけている者です。数字でお答えいただければ良かったのですが、
コメントにいっこうに数字が全く出てこないということは、大変に失礼なことを申し上げますが、貴方も十分な知識がないということでよろしいでしょうか。素人とはご謙遜とは思いますが。

計算の結果だけでもお示しいただければ大変に参考となります。たとえば数字は適当ですが
「NY行きの747-400だと3000m滑走路では厳しい場合がある。燃料と貨物のバランスを考慮すると、強風時には10トンの貨物搭載量削減が必要となる。貨物運賃の収入が1~3割減少し、10%程度の収支悪化が見込まれる」


大型プロペラ機の離着陸能力のことは、けっこう関係者の昔話などに聞いたことがある(国際線の大型レシプロ機は羽田以外の空港に物理的に着陸できなかったとか)ので、当然視していました。
もし反対の事実の詳しい知識をお持ち(DC7やストラトクルーザーでも2500mで余裕で離着陸できる、1950年代前半の滑走路延伸は将来のジェット化対応にすぎず、プロペラ時代に不要なものだった、など)でしたら、ご教示いただければ幸いです。ジ
SSTへの主要国の対応構想について大変勉強させていただきました。ですが、何度も申し上げますが、費用対効果(羽田のBD滑走路を3000m以上にするなど)を考えると、SST対応は駄目というのが私の意見です。
by 東雲のミネルヴァ (2010-12-12 17:32) 

774

いただいたコメントに関して思うところはいろいろとありますが、
「いっこうに数字が全く出てこない」とお叱りを頂きましたので、今回は本題だけ書きます。
できるだけ分かりやすく書きますので長くなってしまうのはご容赦を。

飛行機が滑走路のかなり手前で次々飛び上がるのを見て、「滑走路に随分余裕がある」と思ってしまう方がいます。
飛行機はV1到達前に離陸中断(以下RTO)した場合、きちんと滑走路内で停止できなければならないと決められています。
貴方もご存じなかったようですが、減速時の制動距離をきちんと確保しておくことは確率とは関係なく決められていることです。
現に羽田発パリ行きのJAL772は滑走路が短いせいで制動距離確保等も含めて貨物を減らすことで対応することにしたのをご存じでしょうか?

次にRTOの発生確率ですが、こちらのサイトに役立つデータがたくさん出ていました。
ttp://blog.goo.ne.jp/boeing777-346er/e/c4a85ccc266e301be239a290951cf91b
RTO発生は「パイロットにとって30年に1度」という確率であり、
これはちびさん仰る「一生に一度あるかないか」という表現とも合致しており、妥当な数字と思います。
「一生に一度あるかないか」と聞くと、無視しても構わないほど低い確率に思えますが、
ここが数字の解釈の妙で、パイロットが2人なら15年に1度、世界全体で見るなら毎日16回発生している計算になります。
世界全体で見れば毎日しょっちゅう発生しているわけで、制動距離をきちんと確保するのは当然のことです。

では4,000m滑走路は本当に不要なのか。ここからが本題です。
一例ですが、ANAの最大離陸重量時の必要滑走距離(上述の制動距離を含む)はそれぞれ、
747-400→3,580m、777-300ER→3,150m、777-200ER→3,580m です。
ttp://www.ana.co.jp/int/inflight/seatmap/index.html
この必要滑走距離は理想的な条件下のもので、条件が悪くなるごとに距離は延びていきます。
これだけでも長距離便の飛ぶ空港は4,000mにすべきだと思います。

次に安全面に関してです。
離陸滑走時、高速に達してからのRTO発生確率はRTO全体のわずか2%なのですが、
RTO発生原因の5割弱はエンジンと脚回りが関係しています。
つまり、エンジンリバース、フットブレーキで十分に制動できない可能性が大きいわけで、
これは「滑走路逸脱」に直結するため、高速時のRTOは大事故に至りかねません。
現に民間ジェット機の重大事故件数、死亡者数のそれぞれ1/3は滑走路逸脱に起因しており、
昨年のFSFの国際航空安全セミナーではこの滑走路逸脱の問題が特に大きく取り上げられました。
ttp://www.atec.or.jp/FSF_2009_PEK.pdf
1995-2008年の統計では、離陸時に限っても年平均8件の逸脱事故が発生しています。
これは国内でも発生しており、「滑走路逸脱」で検索すると事例がたくさん出てきますのでその多さをご確認ください。
特に海上空港の場合、滑走路逸脱は水没の危険と隣り合わせです。
羽田発の深夜便でRTOなんて、絶対御免被りたいと思いませんか?

実は逸脱にはオーバーランともう一つ、横滑りもありますから、
滑走路を伸ばせばこの問題がすべて解決するわけではありません。
話が更にややこしくなるので離陸時に絞って論じましたが、実際には滑走路逸脱事故は離陸よりも着陸時の方が多く発生しています。
そのため滑走路に余裕をもたせることの効果は大きく、離陸、着陸時の逸脱のリスクは確実に減ります。

まとめです
・大型機の最大離陸重量時の必要滑走距離は理想的な条件でも3,500mを超える
・RTOは毎日世界中で発生している
・特に高速度RTOは重大事故に至りかねない
・航空重大事故、死亡者数の1/3は滑走路逸脱に起因している

各国に4,000m、もしくはそれを超える滑走路があり、また続々建設される根拠は、こうした諸事実に基づいたものです。
端的に言うなら物理学と安全面の問題ということであり、「パイロットに与える精神的ゆとり」云々とは次元を異にするものです。
これでも4,000m滑走路は理想と現実を混同していますか?

ちびさんと貴方は費用対効果の面からも4,000mに疑問を呈しておられます。
この場合の「効果」とは、「救えるかもしれない人の命の数」です。
少しでも生存者を増やすために、必要な滑走距離にたった一割チョイの余裕を加えること、これがムダですか。不要ですか。
滑走路逸脱が航空死亡者数の1/3に関係するという現実を前にして尚費用対効果論を持ち出せますか?
4,000とはそういうギリギリの数字だということをよく考えてみてください。
以上の理由から、長距離路線の国際空港に4,000m滑走路は必要です。
by 774 (2010-12-18 06:59) 

東雲のミネルヴァ

安全性確保の面から詳細にデータを示していただき、ありがとうございます。
「世界で毎日15回」という確率論には大変説得されます。

しかしながら、国際航空は限りない安全の理想論ではなくて、実際の運用実態から議論されるべきだと考えます。
現実に世界の主要国際空港は(複数の)4000mの滑走路が確保されていて、長距離便はそこからのみ離陸しているのでしょうか?それが確保されていない空港では有意な確率で事故が頻発しているのでしょうか?4000mない空港はただちに危険な空港として(航空会社の経営判断として)忌避されているでしょうか?
たとえばガトウィック空港の(実質的に)ただ1本の滑走路は3100m程度の長さです。これが極端な例にしても、ヘルシンキも3500m1本、3000m2本です。
また、アメリカの長距離国際線が頻発する空港でも、デトロイトもサンフランシスコも最長の(1本のみ)滑走路で3600m程度です。しかも、必ずしも最長滑走路からのみ長距離便が離陸しているわけではありません(全体の効率的な運用を優先しているのでしょう)。JFKは(あなたの観点から言えばさすが)13R/31Lは4400m以上ありますが、実際には風向きの関係で4L/22Rの向きを組で使用していることも多いです。

それに対して旧共産圏やアフリカの首都空港は3500m以上確保されていることがほとんどですが、これらの空港は先進国の空港より安全だったでしょうか?
航空事故を防ぐためにさまざまな方面から対策をすることは必要だと思いますが、各種の地上支援設備や人的な訓練、リスク対策などを差し置いて、4000m化が事故防止の最優先な課題であるかというような議論は、やはり費用対効果を無視した議論であるように思われます。ましてや国際ハブ空港に絶対必要との説は理想論にすぎるように思われます。

乱筆失礼いたしました。
by 東雲のミネルヴァ (2010-12-24 18:13) 

774

…また削除ですか。もう反論できなくなってしまいましたか?
それでは自説の正しさを立証する簡単な方法をお教えしましょう。
私がしたように、自説を客観的に証明する出自の確かな典拠を示せばいいんですよ。
私は貴方のように不都合な情報から目を背けることはしませんからこれは効果的ですよ。
是非以下の典拠を示してみてください。
1・4000m滑走路は国際空港に不要である
2・それでも4,000m滑走路が存在するのは、独裁国家か途上国が体面を保とうとしているからである

2つともこの記事の主論であり、貴方ご自身が文中で断言していることです。
特に1番目はこの記事のタイトルなのですから責任もってくださいね。
「プロペラ機時代の名残云々」と同じオチにならないことを祈ります。
それでも無理ならまた削除でも構いませんので。
by 774 (2011-01-07 06:46) 

東雲のミネルヴァ

774さん
今度は人身攻撃に陥らずに、簡潔に質問を示していただいてありがとうございます。
二つのご質問に対する私の意見はひとつ前のコメントに尽きていると思います。何か数値のようなものを示していただきたいのかとも受け取りましたが、よく求められるもののご趣旨がわかりませんので、貴方のご理解をお助けするべく、もう一度まとめさせていただきます。

1、大型機の発着する欧米の主要空港(ガトウィック、デトロイト、サンフランシスコなど)はみな4000m滑走路を持っているわけではない。
2、離着陸のやり直しのために余分な滑走路の長さを持つことで事故を防げるとのご意見はたいへん貴重なものとして受け取らせていただきましたが、事故を防ぐための費用対効果に乏しいのではないでしょうか?これらの主要空港では貴方の言う既存不適格な空港で4000m化は喫緊の課題とはされていないことが参考になるかと思います。
3、777-300ERなどの離陸能力向上は著しいものがある。

これは最後は政策決定の問題だということをご留意ください。まさかガトウィックやサンフランススコの空港が占める国際航空(貨物専用便を含めて)を知らないわけではありますまい。
by 東雲のミネルヴァ (2011-01-09 16:06) 

774

3つにまとめていただきましたので、それぞれ順番に反論を述べます。

1に対する反論
>みな4000m滑走路を持っているわけではない。
4,000m化するほどの需要がない。というのがその理由です。
時には滑走路が足りない、というケースもあるかもしれず、
その場合羽田D滑走路国際線運用のように離陸重量を制限することで対応するかもしれませんが、
それでよしとしているのでしょう。貴方の表現を借りるなら、「費用対効果」ということです。
「なくても十分やっていけている空港があるのだから4,000mは不要」というのはちょっと早計ですよ。
もっと関係する必要な情報を調べていただかないと。

2に対する反論
>離着陸のやり直し
「離着陸のやり直し」のことはこれまで一度も話に出てません。まったく違う話になってしまいますよ。ご注意を。
>離着陸のやり直しのために余分な滑走路の長さを持つこと…事故を防ぐための費用対効果に乏しいのではないでしょうか?
貴方が繰り返し述べている「費用対効果」ですが、
どうもRTO時の制動距離分を確保しておくことを、「安全上あるに越したことはないもの」程度に勘違いしてしまったようですね。
何度も書いていますが、制動距離を確保しておくことは決められていることで、全ての飛行機がやっていることです。
納得いただけないのでしたら、お望みとあらば書籍でもサイトでも、出自の確かな根拠資料をいくらでもお目にかけますよ?
離陸滑走時、パイロットがRTO時の急制動に備えてスラストレバーに添えていた手を、
「V1」コールと同時にパッと離すのをご存じありませんか?
これは、離陸のたびにきちんと制動距離を算出し、意識しているからこその動作です。
セスナから戦闘機、大型旅客機に至るまでやっていることで、
制動距離がきちんと確保できていることを確認してからでないと離陸しません。
V1、Vrは離陸の基礎です。もしご存じないのでしたら、是非V1とかVrについて調べてみてください。
もしくは、試しにマニアでも航空関係者でもだれでもいいから2について語ってみてごらんなさい。笑われますよ。
制動距離分の確保を「費用対効果に乏しい」と言ってしまうことは、
世界中の飛行機が決まりに則り、離陸のたびに当たり前にやっていることの否定です。
>これらの主要空港では貴方の言う既存不適格な空港で4000m化は喫緊の課題とはされていない
これも私の発言を誤解しておられます。
私は4,000mない国際空港は不適格であるとも、4000m化は危急の課題とも考えていません。
ついでに言うと、すべての国際空港はなにがなんでも4,000mにすべきである。とか、
4,000mない空港は全て危険な空港である。なんて、一言も言っていませんし、考えてもいませんよ。
1でも述べましたが、国際空港でも、4,000m化するほどの需要がないのなら、その制限の中でやっていけばいいのです。
私は「4,000m絶対必要論者」ではありませんから、4,000mない国際空港の名前をいくら挙げられても、
「…そうですね。それで?」としか言いようがありません。
むしろ、すべての国際空港を十把一絡げにして「4,000mは不要である」と断言する貴方の説に異を唱えているのです。

3に対する反論
>777-300ERなどの離陸能力向上は著しいものがある。
それでは、747が飛んでる間はやっぱり4,000m必要なんですね?

ということで、貴方の主張する「4,000m不要論」には説得力がありません。
貴方が何度「4,000mは不要である」と唱えても、
自説を証明している(ように見える)部分的な現象をいくら挙げても、
それだけで物事を証明したことにはなりませんし、信ぴょう性がありません。なぜか。
まことに失礼ながら、この論題を語るには基礎的な知識がいくつも欠落しており、
「プロペラ機時代の名残」とか「2ちゃん」を(2ちゃん情報すべてを否定するわけではありませんが)
根拠とする主張だからです。
一方で私がデータから話してもそれをなかなか解さず、貴方は延々自説を繰り返すばかりですっかり平行線のままですね。
ではどうすればよいか?
事態を打開するために前回ご提案したことを端的に言うなら、
「ソースを出してください」ということです。
私のように、自説を裏付ける証拠を、信頼に足る情報源から引用してください。
これでご自身の説に説得力を加えることになりますし、やっと私と同じ土俵で議論することになります。
いろいろ調べていく中で、ご存じなかった事実がいろいろ出てくるかもしれませんよ。
自説を客観的に証明できないのであれば、貴方の説は「現実を無視した論議」ということになってしまいます。

最後に。貴方が今までに書かれたご意見はすべてきちんと読み、理解しております。ご安心ください。
「最後は政策決定の問題」というのも、言わんとすることはわかります。
ただ、現状では貴方から「4,000m不要論」という、今まで聞いたことのない話を出されても、
とても鵜呑みにできない、ということです。
by 774 (2011-01-15 06:28) 

東雲のミネルヴァ

懇切なコメントをまたありがとうございます。
貴方のような実務の専門家ないし、同等にお詳しい方から見れば、誤解を受けることもあったかもしれません。
ソース云々のお求めがあるようですが、以下のコメントについて補足願えればと思います。

>>これらの主要空港では貴方の言う既存不適格な空港で4000m化は喫緊の課題とはされていない
>これも私の発言を誤解しておられます。
>私は4,000mない国際空港は不適格であるとも、4000m化は危急の課題とも考えていません。
>ついでに言うと、すべての国際空港はなにがなんでも4,000mにすべきである。とか、
>4,000mない空港は全て危険な空港である。なんて、一言も言っていませんし、考えてもいませんよ。

まあ当然ですね。
ただし以前にお書きになった以下のコメントと矛盾している点はありませんか?全ての長距離国際線の発着する空港は4000m化する必要があると貴方は述べられたわけですが。

>各国に4,000m、もしくはそれを超える滑走路があり、また続々建設される根拠は、こうした諸事実に基づいたものです。
>端的に言うなら物理学と安全面の問題ということであり、「パイロットに与える精神的ゆとり」云々とは次元を異にするものです。
>これでも4,000m滑走路は理想と現実を混同していますか?
>この場合の「効果」とは、「救えるかもしれない人の命の数」です。
>少しでも生存者を増やすために、必要な滑走距離にたった一割チョイの余裕を加えること、これがムダですか。不要ですか。
>滑走路逸脱が航空死亡者数の1/3に関係するという現実を前にして尚費用対効果論を持ち出せますか?
>4,000とはそういうギリギリの数字だということをよく考えてみてください。
>以上の理由から、長距離路線の国際空港に4,000m滑走路は必要です。

以上の貴方のご意見に対して、ロンドンガトウィック空港やデトロイト、サンフランシスコなどの例を挙げたわけです。これらの空港は長距離国際線の「需要」が今も未来もない空港ですか?747など大型機(それも、旅客機より重い貨物専用機が)離発着していませんか?これらの空港は4000mないから、直ちに問題視されて

最後に貴方の用語の使い方をお伺いしたいと思います。
>>1でも述べましたが、国際空港でも、4,000m化するほどの需要がないのなら、その制限の中でやっていけばいいのです。

「需要」というのはどういう意味でしょうか?最大離陸重量で飛び立つ確率ですか?離陸中断時に減速するためですか?あるいは貨物の積載量の問題でしょうか?

by 東雲のミネルヴァ (2011-01-15 22:06) 

774

「ソースを出してください」に対する返答が、「矛盾点がある」、「用語の質問」ですか。
お答えするのは造作もないことなのですが、その前に順番を守って、
まず私の「ソースを出してください」にきちんとお答え頂けますか?
のらりくらりとかわさずに、是非自説を真正面から語ってくださいよ。
いい加減論議を前に進めたいです。
それからもう一つ。
>貴方のような…誤解を受けることもあったかもしれません。
前にも言いましたが、私は一介の素人です。それはともかく私は何か誤解しているんですね?
どういうことでしょうか? 是非教えてください。
「ソース」と「誤解」の二点、きちんと納得のいく答えが頂ければ、
私も上記二点、きちん回答することお約束致します。
by 774 (2011-01-22 10:03) 

東雲のミネルヴァ

お返事ありがとうございます。

これだけの航空界へのご見識をお持ちでいながら、素人と韜晦されるご謙虚なご様子に敬意を表させていただきます。「お答えするのは造作もないこと」には、お答えいただけませんか。

私はソースとして既に周知の海外の実例を挙げています。それのソースを示せというのは
「東京は日本の首都である」
「天皇は国際儀礼で皇帝として認識、待遇されている」
などと同様にと当たり前ことを証明しろと言っているのと同じです。

by 東雲のミネルヴァ (2011-01-23 14:17) 

774

>「東京は日本の首都である」
確かに言わずもがなですね。「当たり前のことをわざわざ証明しろとはバカバカしい」というお気持ちはよく理解できます。
同様に、貴方が仰る「4,000mない主要国際空港はいくつもある」。これも証明不要の周知の事実です。
しかし、貴方はすべての国際空港を十把一絡げにして「4,000mは不要である」と断言しておられますが、
これは周知の事実ではありませんし、貴方はこの点のソースを挙げていません。
「私はソースとして既に周知の海外の実例を挙げています。」と仰いますが、これは
「4,000mない空港から大型の長距離便が普通に飛んでいる」としてその空港名を盛んに挙げたことを指しているのだと思います。
しかしよく考えてみてください。
「大型の長距離便=最大離陸重量」と仰りたいのでしょうが、これは現時点では単に貴方がそう主張しているだけです。
「大型の長距離便が」ではなく、実際に「最大離陸重量か、それに近い大型機が」飛んでいるというソースか数字を明示するまでは、
「だから4,000mは不要である」と証明したことにはなりません。飛んでいく747を見ただけでは、離陸重量は分かりませんから。
それ以前に貴方は、漠然と「長距離便が飛んでいる」というだけで、実際にどんな路線があるのか、どの程度長距離飛んでいる例があるのかという、
具体的な数字すら挙げようとしていません。 これで証明もないと思いますよ?
社会科学で使用される数式モデルを扱うほどの貴方ですから、私が言いたいこと、わかりますね?
「4,000mない空港から大型の最大離陸重量機が普通に飛んでいる」→「だから4,000mは不要である」と証明したいのなら、
「○○空港では□□□tの飛行機が△kmの滑走路から日常的に離陸している」という具体的な証拠を私に突き付けて見せてくれませんか。

「4,000mない主要国際空港はたくさんある」という周知の事実と「4,000mは不要である」という周知でない貴方の主張。
貴方はこの2つをつなげようとしておられる。
現時点ではどうしてこれがつながるのか私にはさっぱり分からない。
マニアでも航空関係者でもだれでもいいから聞いてみてください。ちびさんのような方もおられるでしょうが、
だれもが異口同音に「4,000mなんて不要に決まっている」とは言わないはずですよ。
少なくとも私の周りではそうです。だからこれは「当たり前のことを証明しろ」には該当しません。
どうか私に、「4,000mは不要である」という出自の確かな証拠を見せてください。

ついでですので、ここで貨物専用機について書いておきます。
4,000mない国際空港から、「旅客機より重い貨物専用機」が離陸している。だから4,000mは不要である。
と貴方は盛んに仰います。
↓こちらに本家ボーイングから747と747ERそれぞれの旅客機型とフレイターの基本スペックが出ています。
どうぞ納得いくまでじっくりと両者を比較してみてください。
ttp://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=13865&aContent=747%E5%9E%8B%E6%A9%9F%E6%83%85%E5%A0%B1
それぞれの基本スペックはほぼ同じなのがご理解いただけるはずです。
このデータで特に関係しているのは最大離陸重量ですが、わずか5~10kgの違いしかありません。単位はtではなくkgですよ?
貴方は「旅客機より重い貨物専用機」と盛んに仰いますが、実際はそうではありません。データから明らかな通りです。
きちんと確認もせずにイメージだけで語っちゃ駄目です。
手前味噌で恐縮ですが、私が貴方に是非とも出して欲しい「出自の確かなソース/データ」とはこういうものです。
こういう客観的で説得力のある証拠を突きつける説明の仕方をして欲しいのです。

さて、離陸の基本性能は同じであるとして、
「4,000mない国際空港から貨物専用機が離陸している」。これは証明不要の周知の事実。
しかしそのことと、4,000mない空港から本当に最大離陸重量機がどんどん離陸しているのかどうかは別問題。
だからその点の確認が必要になるわけです。
「4,000mない国際空港から、『重い』貨物専用機が離陸している。だから4,000mは不要である」
と仰りたいのであれば、こちらも同様です。そのことを裏付けるソース、もしくは具体的な数字を見せてください。

貴方の中では、「4,000mは不要である」というのは、「東京は日本の首都である」というのと同じ位当たり前で
今更キチンと説明するのもバカバカしいことなんでしょうね。
でもこれだけやり取りを重ねても平行線のままなのです。
証明すればそれで済むのですから1回位私に付き合って、そのバカバカしい説明をしてくれてもいいのではありませんか? 
「東京は日本の首都である」というのを今更証明する作業は確かにバカバカしいですが、
例えば日本について無知で疑い深い外国人に説明しなければならないとして、
地図を見せる、ネットで検索、大勢の人の口から当たり前に「東京」という同一の答えが返ってくるのを見せる等、
証明の仕方はいくらでもあります。
私のことをヘンに持ち上げるのはもう結構ですから、無知で疑い深い私に是非「4,000mは不要である」を証明して見せてください。
このままでは、「ソース:俺の脳内」になってしまいますよ?

>お答えいただけませんか。
ご質問いただいた二点は、この論議を前進させるとてもいい質問です。回答は既に完成しています。
少し書いてしまいますと、私の主張を厳密に言うなら、「本当は3,5800mでも離陸できるけれど4,000m必要」なのです。
だから実は、「最大離陸重量の747が4,000mない空港から離陸したという実例をいくつか見つけた」程度ではダメなんです。
一体どういうことなのか興味ありませんか?
後はコピペするだけなので今すぐにでもコメント可能ですが、
これだけせっせと長文書いたのに質問に質問返されたんじゃ、私があまりにバカみたいです。
いい加減論議を前に進めたいです。正直、こんな問題が年越しても決着しないとは夢にも思ってませんでした。
私が何を誤解しているのかも是非教えてください。
そうしたらご質問の二点、きちんと回答致します。こちらは早くお見せしたくてウズウズしてる位なんですから。
by 774 (2011-01-29 08:07) 

774

お返事を待たずに再びコメントしてすみません。
実は国際線ジャンボジェット機長がブログ上で一般からの質問にも答えて下さっているのを先日知り、
問題になっている点お尋ねしてみました。
誘導尋問的なことをして私に有利な答えを引き出してしまうことがないよう、意図的に貴方寄りの質問の仕方をしました。
おかげで私が4,000m不要論者ではないかと少し勘ぐられてしまったようですが。
私の質問と、頂いたお答えが載っていますので宜しければご確認ください。
ttp://blog.goo.ne.jp/sakaiyuuki747/e/d1971fbb0bd0ebfac6e6eb8859d24e82

経歴を調べるとこの方はプロ中のプロです。その方から明確な結論とその理由を頂きました。
これ以上我々素人がこの問題で議論する意味はないと思うのですが如何でしょうか?
また、私は「ソースを出してください」としつこく求めましたが、出せっこないのを承知で言っていました。
意地の悪いことをしました。また、コメントの中で無礼なことを随分書いてしまいました。どうかお許しください。
貴方から頂いた二点の質問については、貴方にとってはもうどうでもいいことかもしれませんが、
一応載せておきます。
もしも更に疑問、反論等ありましたら、私でよければいくらでもお受けしますが、
もう私に対してこれ以上何もコメント頂かなくても結構です。
以下、質問の回答を載せておきます。
失礼致しました。




・矛盾点
これは確かに貴方のご指摘通りです。矛盾しているように見えますね。私の表現の誤りです。
「以上の理由から、長距離路線の国際空港に4,000m滑走路は必要です。」と書きましたが、正しくは、
「以上の理由から、『最大離陸重量の大型機が飛ぶ』国際空港に4,000m滑走路は必要です。」です。
私はこのコメントを「最大離陸重量の大型機」を念頭に書いていますから、
読み返して頂ければ、正しい言葉を当てはめるとコメント全体の整合性がとれていることをご確認いただけると思います。
さて。私はここで「4,000m必要」と書きました。
そしてご指摘通り、後日「4,000m必要ではないし、別に危険でもない」と書きました。
一見矛盾しているように見えますが、そうではありません。
前者で私が言わんとしているのは、「最大離陸重量の大型機には4,000mあった方がいい」ということであり、
後者で私が言わんとしているのは、「大型機でも、必要滑走路長が4,000mと算出されることのない(少ない)空港では必ずしも4,000m必要ない」ということです。
後者のコメントで私は「最大離陸重量の大型機」のことは念頭に置いていませんし、一言も言っていません。
そういう前提でもう一度コメントを読み返して頂ければ、何ら矛盾はないことが分かるはずです。
貴方は私の誤った表現から、盛んに4,000mない国際空港の名前を挙げていたのですね。
そしてこれが私の主張は誤りであるということを示す大きな拠り所にもなっていたのですね。
混乱させてしまったことお詫び致します。申し訳ありませんでした。

・需要
>「需要」というのはどういう意味でしょうか?
端的に言うなら、「必要滑走距離長が4,000m(近く)に算出される頻度」のことです。
順にご説明します。
「矛盾点」のコメントで書いた通り、ANAの747-400の最大離陸重量時の必要滑走距離は3,580mです。
資料によってはもっと小さな数字も見つかりますが、ともかく最大離陸重量の747は3,580mで離陸できるのです。
探せば4,000mない滑走路で最大離陸重量で離陸する747のケースはたくさん出てくるはずですよ。
実は内心「なぜここをツッコまないんだろう??」と不思議でなりませんでした。
さて、3,580mでも離陸可能なのですが、これは飽くまで「理想的な条件下」での話です。
理想的な条件とは具体的には、海面高度、ゼロ勾配、標準気圧、気温15℃、無風、路面ドライ等の場合のことであり、
この条件下でなら、3,580mで離陸可能ということです。
標高、滑走路勾配、気圧、気温、風向風速は出力と揚力発生に影響を与え、雨や雪が降ると制動距離に影響を与えます。
理想的な条件が重なることはそうそうありません。大抵複数の悪条件が重なり、必要滑走路長はどんどん増えていきます。
制動距離はドライとウエットで1.5倍も差が出るのだそうです。
標高、滑走路勾配以外は気象条件であることにご注目ください。
気象条件は日々刻々変化しますから、それに伴って必要滑走距離長も刻々変化します。
標高の高い空港、年間気温の高い空港は最初から「必要滑走路長」にかなりの上乗せを宿命づけられた空港と言え、
必要滑走路長が4,000mに近づきやすい、「4,000mの需要の大きな空港」となり得ます。
逆に、最大離陸重量で離陸する747が多くても、年間を通じて理想的な条件かそれに近い条件が安定的に得られる空港は、
必要滑走路長が3,600m程度に算出されるケースが多いことになり、「4,000mの需要の小さな空港」と言えます。
この場合、たまの悪条件の日は仕方がないと割り切り、「費用対効果」の観点から4,000mにはしないかもしれません。
私は4,000m絶対必要論者ではありませんから、その辺は各空港の合理的な判断で構わないと思っています。
これが、「需要の少ない国際空港は4,000mなくても構わないし、危険でもない」ということです。
必要滑走路長がきちんと確保されていることが大前提なのは言うまでもありませんが。

>最大離陸重量で飛び立つ確率ですか?
>離陸中断時に減速するためですか?あるいは貨物の積載量の問題でしょうか?
と、答えを3つ予想して頂いていますが、一つ一つお答えするなら、
条件が関係しますから「最大離陸重量で飛び立つ確率」が単純に需要に結びつくわけではありませんし、
「離陸中断時の減速」は、最初から必要滑走路長に含めていますから関係ありません。
また、燃料、貨物、乗客等、すべて積み込んだ離陸重量で必要滑走路長を算出しますから、「貨物の積載量」だけが特にどうということはありません。
繰り返しになりますが、「需要」とは、「必要滑走距離長が4,000m(近く)に算出される頻度」のことです。
ご理解頂けたでしょうか?

以上の点から問題なのは、十把一からげに「4,000mは不要である」。と断言する貴方の主張です。
諸条件から最終的に算出された必要滑走路長が実際の滑走路の長さを上回った場合、重量を減らさなければ飛べません。
気象条件は刻々変化しますから、滑走路長がギリギリだと
「さっきまでは大丈夫だったのに離陸直前でダメになった」ということも頻発しかねません。
最低限度の滑走路しか作らず、しばしば遅延、欠航を繰り返す空港にがあったとして、
乗客としてそんな状況に遭遇してしまったら、「十分な余裕を作れ!」と文句の一つも言いたくなるのではありませんか?
そんなことは許されませんから、最低限必要な3,580mに1割ちょい(11.7%)加えた滑走路で諸条件の変化に対応しよう-
これが「本当は3,580mでも離陸できるけれど4,000m必要」という根拠であり、
十把一からげに「4,000mは不要である」と断言する貴方の主張はおかしいと異議を唱える根拠でもあります。
刻々変化する気象条件の中で大型機が安定して運用できる余裕、それは安全へのマージンにもなります。
重大事故件数、死者数の1/3が滑走路逸脱と関係しますから、4,000m使い切るような離陸ばかりでないとしても、
その意義はあると思いませんか?

最後に一点付け加えておきます。必要な離陸滑走距離の算出に関して、ややこしくなるので最大離陸重量に絞って論じてきましたが、
実際はもう少し複雑で、他にも幾つかの要素が関係しており、最大離陸重量以外にも算出された要素の中から最長のものが実際の必要滑走距離となります。
詳しくお知りになりたいようでしたら、例えばこちらをご覧ください。
ttp://www.jal.co.jp/jiten/dict/p277.html#03
ここの「離陸」に関して書かれている内容が、私がこれまで書いてきたこと全体の「出自の確かなソース」でもあります。
「4,000m不要論」を唱える貴方は、こうした複雑な運航業務の日常の決まり事に異議を唱えているのです。凄いことだと思います。
以上の事実をもって貴方にお尋ねします。
気象条件が変化しても安定的な運航を可能にするため、最低限必要な長さにたった1割ちょい(11.7%)を加えようとすることのどこがいけないのでしょうか?
4,000mの妥当性はこうしてキチンと必要が説明できるのに、どうして「不要である」と断言できるのでしょうか?
貴方はこの記事を書き始めた時点で、これら関係する情報をすべて把握していましたか?
4,000mある空港のディスパッチルームで運航管理者、操縦士たちを前にして、「4,000m不要論」で一席ぶてますか?
ご自身がお書きになった記事を彼らの前で堂々と読み上げることができますか?
by 774 (2011-01-31 22:17) 

東雲

大変、紳士的かつ精確にご回答くださり、もう貴方のお考えは十二分に理解できました。

確かに全く4000m滑走路が世界中で普遍的に不要との当初の表現は不適当だったと訂正させていただきます。
まったく貴方のご意見に従わせていただきます。
私は日本の空港整備を政策的に考えることを前提に考えたので、やや暴論となってしまいました。

ただし貴方が私に求められるように
「必要滑走距離長が4,000m(近く)に算出される頻度」
のソースを網羅的に挙げることは現実に不可能だと思います。
天候との関係なら各空港の気象データとの関連は出せるでしょう。
しかしながら、貨物積載と燃料のバランスなど各航空会社の利益率に直結するものであり、印象的な概略以上のものが公開されているとは思えません(国際的にデータを探す時間的余裕が私にないこともご理解ください)。

ただ確実なこととして、航空時刻表を見るだけで、以下のことは分かるでしょう。大型機が最大離陸重量で離陸する確率において、日本の空港より私の挙げた4000mない欧米の主要空港のそれが少ないとは考えがたいからです。日本から向かい風の向きの西に向かう6100マイル以上の航路は存在しませんが、デトロイトからは成田以下アジア各地に6400マイルを超える747のデルタ便が毎日飛んでいます。旅客需要や貨物需要において、太平洋の東西向きでさして相違があるとは思えませんから、どう見ても燃料積載量はアメリカ発が日本発、仁川、北京より多いでしょう。
世界一の航空大国であり、安全対策でも世界の基準となっているアメリカにおいて、長距離国際線の出るハブ空港の滑走路長が多く3600m程度というのは軽視できない事実だと思います。


by 東雲 (2011-02-02 18:29) 

774

>「必要滑走距離長が4,000m(近く)に算出される頻度」のソースを網羅的に挙げること
そこまで無茶なことは求めていませんよ。
世界的なデータを求めたのではなく、要は1つの空港でもいいからその実例を探してみてください。ということです。
もっとも、「4,000mない空港から最大離陸重量の747が飛んでいる」という実例を見つけてきても、
それで貴方の説を立証したことにならないのはご承知の通りです。
では何故私がわざわざそんなデータを求めたのかと言いますと、
私がいくらデータ、ソースから証拠を積み上げても、貴方は今回のように「~と思う」と簡単にイメージでそれを否定するからです。
これではいつまで経っても議論は平行線のままです。
イメージで語るのではなく、きちんと調べたうえでの発言をして欲しいという意図もあり、貴方にもデータ、ソースを求めました。
私と同じ土俵で論議して欲しかったのです。
私が「出せっこない」と書いたのは、「4,000mは不要である」とするソースの方です。
4,000mの必要性は十分説明できるのですから、それが不要だという正当なソースなどあるはずがありません。

>どう見ても燃料積載量はアメリカ発が日本発、仁川、北京より多いでしょう。
具体的な距離も挙げていただき、今までで一番説得力があります。
確かに偏西風の影響がありますから、強い向かい風に逆らう米国発より、追い風に乗る日本発の方が燃料は非常に少なくて済みそうなイメージですよね。
しかし以前のコメントをお忘れですか?
実際には、成田発NY行きの搭載燃料はおおよそ160tで、これは最大搭載量の約92%に相当します。
100%近く搭載することも珍しくありません。
「追い風に乗る日本発は搭載燃料が非常に少なくて済む」これはイメージ。
「燃料搭載燃料量にそれほど差がない」これが現実です。
飛行コース、ペイロード量、IASで調節するのです。

>長距離国際線の出るハブ空港の滑走路長が多く3600m程度というのは軽視できない事実だと思います。
またそこまで話が戻ってしまうのですね。
最大離陸重量時の747の必要滑走路距離、あれから更に調べましたが、
3,200mでも離陸可能という資料が見つかりました。
最初に私が挙げたANAの3,580mとは随分開きがありますが、型式と使用エンジンの組合せの問題かと思います。
この必要滑走距離は、十分な安全率を乗じたもので、当然RTO時の制動距離も含まれています。
条件によっては最大離陸重量の747が3,200mでも十分安全に離陸できるのです。
そして実際の運用では、各空港の立地、気象条件によって必要滑走距離が算出されます。
年間を通じた気象条件で、その空港のおおよその滑走路の長さの需要が出ます。
それは3,300mかもしれないし、4,000m近いかもしれない。
後は各空港の合理的な判断で実際にどの程度の長さにするかを決めればよいのです。
そこには既に十分な安全を見越していますから、必ずしも4,000mなくても安全上問題はないと私は既に説明しています。
ですから今更4,000mない事例をいくら挙げても無意味です。
by 774 (2011-02-06 08:50) 

管制官

744の最低限必要な着陸滑走距離は2200m程です。
なのでBランは無理やり降りると言うほど難しい訳ではありません。
知る限りでは国内で最も離着陸が(長さ的に)シビアだった空港は旧石垣です。
旧石垣は737が発着していたものの1500mしかありませんでした。
737の最低限必要な着陸滑走距離1400m強なので、転回の都合も考えると本当にギリギリでした。
by 管制官 (2013-11-05 09:36) 

管制官

追記としまして、関空のBラン(4000m)についてです。
実は関空は、緊急着陸用の空港として非常に人気があるんです。
と言いますのは、アメリカ~アジア圏の重要な航路からも近く、周囲がひらけた海上空港でありながら周囲を陸に囲まれているため風も穏やかで24時間体制であり両方向ILS装備であり、またBランが長く、アジア圏では最も整備されている空港と言える空港で、容易に降りられるからです。

エンジントラブル等の不都合が生じた場合、機体を安定させるために着陸速度を通常よりかなり速く設定する場合があります。この場合、その分滑走距離が延び、相応に滑走路の長さも必要です。こうした場合等の一部有事の際の対応に、実はかなり効いてくるんです。

自衛隊の新型哨戒機導入の際にも、エンジンを2発にするか4発にするかの議論がありましたが、万が一の生存性の為にも4発は譲れないとの結論に至り、4発機が導入されました。滑走路の長さも、場合によってはわらにもすがるような保険にもなるのです。
その他、4000m級滑走路が必要となる事例は他の方も説明されておられるので割愛します。
by 管制官 (2013-11-05 09:47) 

お名前(必須)

単純な着陸だけならな

滑走中に離陸中止した場合の緊急停止距離が全く考慮に入ってませんな

特に燃料を満載した重たい長距離便は直ぐには止まれない

万が一に備えるのが当たり前
万が一に備えるのが無駄なら保険は不要
by お名前(必須) (2013-12-19 11:45) 

こんばんは

左翼さんですか?ww
by こんばんは (2014-02-20 00:47) 

旅好き

良く飛行機を利用します。飛行機や滑走路について大変勉強になりました。有難うございます。
by 旅好き (2015-03-09 15:40) 

チンカスシャブリストブラストンプライム

>どうして世界の主要空港が4000mあるかというと、非力な大型プロペラ機の時代の名残である。
>長い滑走路を望むのは、ろくに地上設備も伴わないのに体面を保とうとする独裁国家か途上国の空港のみである。

非力な大型プロペラ機が退役していった60年代以降に4000m級の滑走路を建設したアメリカやフランスや日本は独裁国家か途上国なのか(困惑
やっぱ池沼は算数も碌にできないんすねえ
by チンカスシャブリストブラストンプライム (2016-10-16 04:33) 

お名前(必須)

このブログを書いてる人はなんともお粗末な知識しかないんですねえ。V1やVRに対する答えは全然なってないし、記事自体を削除した方が良いと思います。
Byパイロット
by お名前(必須) (2016-11-06 12:52) 

通りすがりのP

何故離陸に必要な滑走路長が着陸に必要な滑走距離より長いのか、4000mも必要なのか、というと、離陸を中止した際に安全に停止出来る距離が必要だからです。
実際、羽田国際化が進んではいるものの、欧米長距離線の運航に際しては短い滑走路のために羽田発便の貨物搭載は制限しています。
それ故羽田の国際便はビジネスクラス等高旅客単価があって初めて成り立っているという事情もあり、成田空港の4000mの滑走路は、航空貨物輸送路のためにも必要不可欠なのです。
by 通りすがりのP (2017-02-25 07:02) 

JUN

航空貨物の仕事をしていますが、間違っていますね。
羽田の国際化に伴いAAがニューヨークに就航させましたが、滑走路が短い為貨物スペースはあるのに満載搭載出来ないとAAの方が言っておられました。それは燃料を多く搭載しなければならないからと。成田のように3500mあればフル搭載可能ですが、羽田では無理、はやりフルサイズ、4000mとは言いませんが3500mの滑走路は国際線就航空港には必要です。
by JUN (2017-09-07 17:02) 

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